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第4回専攻建築士認定評議会記録

日 時  平成16年11月22日(月)13:00 〜 15:25
場 所  日本建築士会連合会 会議室
出席者  議 長  巽   和 夫  京都大学
  評議員  岡 村 信 秀  広島県生活協同組合連合会
北 川 正 博  東京商工会議所
       大 森 文 彦  弁護士
春 田 浩 司  公共建築協会
       八 木 幸 二  日本建築学会
       青 木 三 郎  東京建築士会
宮 崎 八 郎  大阪府建築士会
藤 本 昌 也  日本建築士会連合会
峰 政 克 義  日本建築士会連合会
    オブザーバー 小 黒 利 昭  専攻建築士制度推進特別委員会副委員長
事務局  鎌田専務理事   上口常務理事

欠席者  評議員  牧 村   功  建築設備技術者協会
河 野   進  日本建築家協会
山 辺 豊 彦  日本建築構造技術者協会
村 田   真  日経BP社
オブザーバー 阿 部 寿 志  国土交通省住宅局建築指導課

報 告  
 1)CPD進捗状況・平成16年度専攻建築士制度応募期間一覧(資料−1)
  ・CPD制度は発足して2年経過したが、全国で約2万2千名の参加があり、現在は、CPDデータの登録推進に力点を置いている段階である。
・専攻建築士制度を立ち上げ、平成16年度に募集を行う建築士会は、新規10、二次募集を行うところは3、二期目は4 合計17建築士会である。

 2)専攻建築士制度普及計画(資料−2)
  47建築士会の専攻建築士制度進捗状況をABCの3グループに分類した。既にスタートしたAグループ、17年度中に実施することが決まり準備の始まったBグループ、開始時期が定まらず準備のないCグループ。  
  それぞれの段階で連合会と建築士会の実施すべきことを整理し、認定評議会の開催時期を年に2回と固定し、それに合わせ建築士会では準備の時期を設定できるようにした。
   また、平成15年5月開催の理事会・士会長合同会議において、専攻建築士制度を全国で17年度中に実施しようという合意を得ているが、再度その確認をし、17年度中に立ち上げるためには、準備に入るようお願いをした。
3)CPD及び専攻建築士制度の社会的メリットの実現に向けて(資料−3)
  専攻建築士制度を実施しようとするとき、又、立ち上げた後も、専攻建築士制度のメリットはどこにあるかの問いが多いので、社会的メリットの観点から整理した。基本は、建築士の専門分野と自己研鑽の状況が客観的に証明され、表示されることによって、適任者に安心して業務を依頼することができるようになることだが、その効果が期待できる対象として、公共工事における優遇措置、建築行政における扱い、企業における活用と、それぞれ考えられるが、17年4月から施行される公共建築の品確法にあわせ、行政では、建築技術者の選択方法の議論があり、CPDや専攻制度はアピールしやすい時期と言える。

4)他団体との交渉経過
  *日本伝統建築技術保存会 8.25 棟梁領域において早い時期に合意を得たい。 
  *JIA 9.27 11.8 12.7 互いの試行期間2年が経過しようとしており、基本的に、相互認証を目指し年内に発表できるようにしたい。
*BCS 9.8  10.19  12.8 建築施工管理技士と生産専攻建築士との絡みをどう考えるか、その裏づけであるCPD体制をどうするかが課題である。
*積算協会 11.16 積算の領域を作って欲しいという要望があるが、生産の「限定表示」ということで協議が進んでいる。CPD実施体制が課題となっている。
  *建築設備技術者協会 12.1 3分野の限定表示で合意が進む予定。
  *日本建築防災協会・日本建築設備昇降機センター・建築設備維持保全推進協会
    より要望書 11.1 12.15 建築ストックの3団体から「診断・改修」の領域を設けるよう要望があった。

議 題
1. 専攻建築士認定評議
1)宮城県建築士会(資料−4)
募集期間:9月15日〜10月10日
   申 請 数:152名、166件
   経  緯:15支部57名の支部審査員によるピアチェックの後、支部間の整合・調整を予備審査会にて議論。主に「棟梁」をどう位置づけるかの検討がなされ、審査評議会に諮った。その結果、伝統的在来工法の建築物を手がけることができ、自分で建前、墨付けができ、弟子を取るとか、職業訓練校等で更新の育成を心がけている者、さらに県が推奨している「宮城版住宅」の推進者を宮城県では棟梁と位置づけたが、連合会認定評議会の判断を仰ぐ とした。

2)福井県建築士会(資料−5)
募集期間:7月1日〜8月31日
   申 請 数:84名、91件
   経  緯:8地区別予備審査専門部会で44名の支部委員が予備審査を行い、実質的なピアチェックを行った。その後、34名からなる運営委員会で問題のある申請を協議の上、審査評議会に諮った。
        問題は2点あり、1点目は、まちづくりの実務実績が1件であるが、従事した期間は15年であるため、実績内容と従事した期間を勘案し、総合的に判断し認めることとした。
        もう1点は、棟梁をどう規程するか。大工として設計から施工、工事管理の業務を一体的に行っており、「伝統型木造住宅」を昔ながらのその地域の特徴を持った設計ができ、施工できる者であり、伝統技術の伝承者であること する とした。

2.「棟梁」の実務内容について
・専攻建築士制度運営委員会(専攻建築士制度推進特別委員会)では、現在、規定はあるものの、各地域の位置づけに幅はあると受け取っている。日本伝統建築技術保存会のメンバーを頂点とするが、社寺仏閣の仕事は絶対数に限りがあるため、在来軸組工法の住宅で、地産・地消、規矩術を駆使し、地域の文化を反映した住宅を手がけている者を認めて行きたい というところが、運営委員会の意向である。
  ・棟梁は、専攻建築士制度の中で、他の領域とは違う決め方をしている。地域の建築文化を何とかしたいという建築士会の姿勢でもある。生産と重なるわけだが、特に生産の中の伝統的技能者を改めて評価しようという趣旨である。人数は少なくて良い。
  ・棟梁の規定を、誰もが認める社寺仏閣をこなし、設計から施工まで一貫してでき・・とすると、わかりやすいが発展性がない。若い人達が棟梁を目指してやっていこうと思わせたいなら、将来に向かっての姿、ビジョンを描いていかないと難しいと感ずる。
  ・日本の千年以上の木造の歴史の中では、金物を使わない、木を組んで建物を作ってきた。住宅に、日本の木で、日本の技術、つまり木組みを基本とした環境共生型の運動が若い人に広がりつつある。
   設計者が考え、施工したくとも木組みのできる大工がいない。そこを育てたい。全国でも数箇所でそうした大工を育てる学校があると聞く。神社仏閣はそれはそれで良いが、住宅において木組みの施工ができる大工を新しい棟梁として位置づけたい。
・それでいくと、「棟梁」は、「設計」と「構造」と「生産」のうちの、伝統を担う者とするとかなり限定されたものになる。「設計」、「構造」、「生産」の専攻建築士制度も取れる三つを備えた者が棟梁として奉られる という構造ならば、厳しいものにならざるを得ない。
  ・昔の棟梁は技術もあるし、人も使えるし、金の管理も出来、全体の企画も出来る、そうした人を棟梁と言っていたが、今はシステムも違ってきているので、技術のところ、伝統技術を修得していて、それを現代的に生かせる人。
   伝統建築は、設計者が紙に書いたものだけでは分からない。ディティールは大工と相談しながらでないと出来ない。材料の調達もその大工のノウハウでやることになる。すると、設計者も材のとれる設計をするという相関関係で出来ていく。大工技術を基本にした棟梁的な人を、現代でも必要としているのではないか。
・生産技術の進歩もあるので、技術的な細部に拘ったものでない、単純に線の見える表現で、精神を書き込んでほしい。
   ここでいう棟梁は、昔からの型を硬く守っているというものではなく、発展的に考え、その中心になるのは在来の木造の重要な木組みを中心とした技術を修得していると、そのことを明確にすべきだ。
・「建築士」であるのだから設計はできる。その中で、特にそうした施工ができる人を棟梁とする と、規約を並列的に表現すること。
・神社や数奇屋大工に限らない発展性のある話しだ。それは「生産」にいる人達の中から、設計やマネージメントができるようになり、そして棟梁を目指すという図式が描ける。
「棟梁専攻建築士」を、神社ばかりでなく、「木組み」を核とした日本古来の技術をもって住宅を施工している大工、棟梁 と規程し、背景説明と、規定の文章を書き直すこととした。

棟梁 専攻領域実務内容:
@日本の伝統的な建築生産方式を担う者で、伝統的和風建築(軸組み工法)、社寺建築、数奇屋等の設計・工事監理及び施工等を行う者
    A地域の地産、地消の推進、地方建築文化の保全等に携わっている者

・規定@は問題ないが、Aが拡大解釈されるおそれがあるので、ここを明確に。伝統という様式の軸と、設計・施工を一貫してという軸のマトリックスの中のどのあたりにあって、ここまでだ、ボーダーラインにはこういうものがあると、例示して解説する必要がある。
  ・「地産・地消」の表現も、建築文化を目指すと言う以上、しっくりこない表現ではないか。地域の産材を地元で使う、山を守り環境に配慮したもう少し深みのある良い表現はないものか。
 
  3)トータル認定申請数(資料−6)
   二建築士会申請数 236名。257領域。
   以上を認証することに、異議なく了承した。   
  ・認定を諮るに、人数だけでは何か不自然である。申請者の氏名、専攻領域別、職場の名称、年齢等がリストとして欲しい。
   /次回より、専攻別、氏名、年齢、職域等をリストにして提出することとした。

 2. 登録更新ルール(案)
  専攻建築士は5年毎の更新が前提となっている。その条件は「5年間に250単位のCPDを課す」のみの説明であり、その内容については明らかにしていない。
  運営委員会(専攻建築士制度推進特別委員会)にて協議した結論3点は、
  (1) 登録更新時の当該領域の実務型CPDが35単位(5年間)以上あること。
 (2) 登録更新時に、専攻領域別「必修の研修型CPD」を当面は設けない。
    各地域で専攻領域ごとの研修型CPD取得機会が十分でないこと、幅広い基礎的素養と高い専門知識を兼ね備えることが望ましいこと、実務実績が社会からの信任を得ている証であり、専攻建築士の本来的CPDであること、に鑑み、当面は設けない。
  (3) 5年以上CPDの実績登録を行わない者は、専攻建築士の資格を取り消す。
  詳細は(資料−7)、手続きなどの質疑応答の後了承した。

 3. 審査基準及び規程の改定(案)
  専攻建築士制度の各領域の審査評議会基準について、運営委員会(専攻建築士制度推進特別委員会)にて協議した議論の報告は(資料−8)であり、これまでの基準に追加、変更したものは、
  (1) まちづくり:審査評議会基準から責任ある立場での実務実績3件が必要となっているが、他の領域に較べスパンが長いため、内容を吟味し、一年間専任したと思われる範囲で1件と読み取ることを認める。
  (2) 棟梁は設計から施工までを一貫して行なう能力を言うのであるから、棟梁と、設計・生産の重複申請は不可とする。
   (3) 認定評議会の運営規約を、審査ではなく認証という役割に特化させ、実情に合わせるよう変更する。
   
・ 限定表示で、研究・教育者を生産とまちづくりに振り分けるのは無理がありはしないか。
   専攻建築士制度は実務に携わっている人を明確にする目的であり、実務のない研究・教育者を限定という表現にしたところで、もともとの趣旨に合わない。
   原理原則に立ち返えることとし、実務があればその領域で申請し、実務がない場合は、専攻建築士制度への登録は遠慮頂いた方がよい。
  ・まちづくりは大変幅のある領域で、行政や商店主や市民に、様々な分野の専門家が加わって始めてまちづくりの輪が出来上がる。また、まちづくりには、人を育てるという貴重な要素がある。建築関係の先生方には、まちづくりという広い領域が適切ではないか。様々な活動に参加頂き、そうした活動を実務とみることが出来ないか検証する方向で検討して頂いてはどうか。
                                                  以 上


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